不登校保護者のお悩み ――不登校についての考えが夫婦で違う
さいとう:不登校のお子さんへの対応って、夫婦で考え方が違うことがありますよね。
かざま:ありますよね。例えば、お父さんは「少し背中を押せば学校に行けるんじゃない?」と思っていて、お母さんは「いや、今は本当につらそうだから休ませたい」と考えているとか。
さいとう:そうそう。そもそも、お子さんの状態についての受け止め方が違うんですよね。
かざま:同じ子どもを見ているのに、違うふうに感じるんですね。
さいとう:しかも、実はお互いに「この子はつらいんだ」ということを理解していても、対応が違う場合もあると思うんです。「つらくても、少し頑張らせた方がいい」という考え方と、「つらいなら、まず休ませた方がいい」という考え方ですね。
かざま:なるほど。子どもの状態についての認識が違う場合と、対応の方針が違う場合があるんですね。
さいとう:そうなんです。だからこそ、まずは何について意見が違っているのかを整理することが大切だと思います。
不登校保護者のお悩み ――体調を崩したあとに登校を嫌がる
さいとう:体調を崩したあとに学校へ行きたくなくなるケースって、実は体調不良だけが原因じゃないこともありそうですよね。
かざま:確かに。もともと学校で嫌なことがあったり、ちょっと無理をしていたり。それが休んだことで表に出てくるのかもしれません。
さいとう:そうなんですよね。もともと学校生活にしんどさを感じていた子が、数日間家でゆっくり過ごすと、「あれ、家ってすごく安心できるな」って気づくこともありそうです。
かざま:家が安全地帯になっているんですよね。学校で気を張っている子にとっては、なおさらだと思います。
さいとう:だから「体調が治ったのに、どうして行かないの?」と考える前に、もともと学校で何か負担を感じていなかったか、少し気にかけてあげたいですね。
不登校保護者のお悩み ――「毎日登校できなくて大丈夫?」
さいとう:「週5日学校に行けないと、大人になったとき大丈夫なのかな」っていう不安は、保護者さんとしては当然あると思うんですよ。
かざま:そうですよね。「今できないなら、将来もできないんじゃないか」って考えてしまいますよね。
さいとう:でも、そもそも子どもって、最初から朝から夕方まで学校で過ごしているわけじゃないですよね。幼稚園なら午前中や午後の早い時間に終わることが多いし、小学校に入ってからも、低学年なら5時間目くらいで帰宅する。学年が上がるにつれて6時間授業が増えて、中学生になるとさらに学校で過ごす時間が長くなる…、みたいに学校で過ごす時間って徐々に増えていくんです。
かざま:考えてみると、少しずつ長くなっていくんですよね。
さいとう:そうなんです。どんな子にも、その発達段階で無理なく過ごせる時間というものがあると思うんです。だから、小学5年生だから「ほかの5年生と同じ時間いられなきゃ」と考えるのではなくて、「今のこの子にとっては、これくらいの時間がちょうどいいんだな」と考えてもいい。
かざま:たとえば、朝から行くのが難しかったら1時間遅れて行くとか。
さいとう:そうそう。あるいは週に1日休むと安定するとか。それが今のその子に合っているなら、それでいいと思うんです。今の「できる時間」が、そのまま一生の限界になるわけではないですから。
不登校保護者のお悩み ――子どもが再登校し始めたときに気を付けたいこと
さいとう:再登校って、保護者さんからするとやっぱり安心すると思うんですよ。「ああ、よかった」って。
かざま:そうですよね。ずっと心配していた分、なおさらですよね。
さいとう:ただ、そこで「もう大丈夫」と思って、今まで利用していた支援をやめたり、いきなり週5日登校に戻そうとしたりするのは、ちょっと慎重になったほうがいいと思うんです。
かざま:一度学校に行けたことと、それを毎日続けられることは別ですもんね。
さいとう:そうなんです。久しぶりの学校って、どうしても疲れます。最初の数日は頑張れても、その後一気に疲れが出て、また行けなくなることもあります。
かざま:本人自身も、「意外と行けそう」と思っていて、自分が疲れていることに気づいていない場合もありそうですね。
さいとう:ありますね。だから再登校したときは、「学校に行けたから安心」よりも、「行けているけど、無理していないかな」という目線を持っておくくらいでいいと思います。
不登校保護者のお悩み ――学校行事がつらそうな子どもに、どう向き合えばいい?
さいとう :今日は運動会や修学旅行など、広く「学校行事がつらい子への向き合い方」について話しましょう。学校行事って、楽しい子ももちろんいるけど、つらい子もいますよね。
かざま :そうですよね。具体的にどういうところがつらいんでしょう? 人が集まるとか、みんなのテンションが違うとか、そういうところなのかな。
さいとう :人によって違うと思いますけど、たとえば朝練がしんどいとか、走るのが苦手なのにリレーで「もっと練習しよう」と言われるとか。本人はまったくやりたくないのに、ということは普通にありますよね。それで「だから学校行きたくない」というほどにはならなくても、じわじわとダメージが蓄積する一因になっていることは多いと思います。
かざま :確かに。それが積み重なると、だんだん重くなってきますよね。
さいとう :あと、行事をきっかけにクラスの雰囲気が微妙になることもあります。修学旅行の計画でもめたり、合唱コンクールで対立したり。不登校に直結するかどうかは別として、つらさのきっかけにはなりやすいと思います。
不登校保護者のお悩み ――新学期はがんばれていたのに6月から行けなくなった…。どうして?
さいとう:シンプルに、疲れの積み重ねってあるよね。4月にがんばって、5月のゴールデンウィークでちょっと回復して、またがんばって……。それで、6月にどっと疲れが出る、っていう流れ。
かざま:がんばりすぎちゃってるんですよね。
さいとう:中学生だと、6月ってテストの時期でもあるし。学校によっては5月半ばに中間テスト、6月末に期末テストがあって。テスト結果で落ち込んじゃうのも、学校を休むきっかけになることがある。
かざま:確かに。「ダメだった……」ってなると、学校に向かう気持ちが折れちゃうこと、ありますよね。
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