不登校保護者のお悩み ――「学校を休む日の過ごし方」

はじめに

今回のテーマは「学校を休む日の過ごし方について」。
お子さんが学校を休んだ日に「家で何もしていなくて大丈夫かな…」「これがずっと続いたらどうしよう…」と心が揺れるのは、とても自然なことです。
この記事の対談では、そんな保護者さんが抱えやすい不安や悩みに、さいとうとかざまがゆったりと耳を傾けながら、日々の関わり方についてお話ししました。

学校を休む日の過ごし方不登校保護者のお悩み

さいとう元教員(中学・高校)。教員として多くの不登校生に関わった経験からオンラインフリースクールの立ち上げに携わり、500人以上の不登校生と保護者のサポートに関わる。ユルタ代表。

かざま元保育士。さいとうと同じオンラインフリースクールのスタッフを務め、多くの不登校生・保護者にやさしく寄り添う。

「ちゃんと休む」を合言葉に

さいとう:学校に行かない日、どう過ごすのがいいんでしょうね。

かざま:基本は“好きに過ごしてOK”でいいかなと思います。無理に予定を詰め込むより、まずは心を休めることが大事ですよね。

さいとう:たしかに。親が「これでいいのかな」と悩み続けるのが、いちばんしんどいかもしれません。ゲームやYouTubeばかりに見えても、それが「回復の時間」ってこと、ありますから。

かざま:そうそう。「今はエネルギー充電中だね」と意味づけできると、親の不安も少し軽くなります。大人だって疲れた日はスマホでぼーっとしますしね。

さいとう:子どもは自分のしんどさを言葉にできないことも多い。表面は元気そうでも、中ではぐったり…なんてよくあります。

「サボり」に見えたら…

さいとう:普段からゲームが好きな子が休んでゲームしていると、「サボってる?」って思っちゃう気持ち、分かります。

かざま:分かります。でも子どもだって「学校は大事」って分かってるんですよね。分かっていても行けないなら、やっぱり心身の負担があるはず。

さいとう:大人で言えば「会社に行きたくない」レベル。休む判断が出るのは、かなりエネルギーが下がっているサインです。

かざま:だからこそ、その日はしっかり「休む」を肯定してあげたいですね。「休んでいい日」を本人にも親にもハッキリ宣言、みたいな。

“考えないで過ごす”

さいとう:「休んでるのに大丈夫かな…」って罪悪感を持ちながら過ごすと、回復しにくいんですよね。今日は回復デー、と割り切るのがポイントかなと思っています。

かざま:好きなことに没頭できると、頭がすっきりしますよね。保護者さんも「今日はすっきり休もう」と一言添えるだけで空気が変わると思います。

さいとう:「罪悪感を持たない」という意味では、本や新聞を読んだり、ニュースやEテレの「ためになる番組」を見たり、30分や1時間でいいので、少し“勉強っぽいこと”を促すのもいいかなと思っています。そうすると子どもも『今日は学校をさぼってしまった…』と思うのではなく『今日は休んだけどちゃんと家で勉強した!』と思えるようになるので、より「しっかり休む」ことができるようになると思います。

かざま:子どもの状態にもよりますけど、「学校の勉強が嫌だから休みたい」という子でなければ、「普段とは違う環境で勉強する」というのもある種の気分転換になりますよね。

もし休みが続いたら…

かざま:1日ならそれでOK。でも続くと不安が増しますよね。

さいとう:ここからは原因探しを“ゆっくり”始めるフェーズ。友だち関係、先生との相性、給食…トリガーはいろいろです。問い詰めず、「話したくなったらいつでも聞くよ」という姿勢で。

かざま:本人も理由が分からないこと、結構あるんですよね。だからこそ、安心してポツポツ話せる雰囲気づくりが先。言葉にしていく過程で、気持ちが少し整理されます。

さいとう:いじめなど明確な危険があるなら、まず“安全の確保”を最優先に。環境を離れる、学校内で味方の先生を見つける、外部の支援につなぐ ――順番は「安全→回復→対応」かなと思っています。

休むことは前進の準備まとめ

さいとう:最初は“ちゃんと休む”。次に、“話せる場”を整える。ここができると、少しずつ「考える」「動く」に向かえます。行きつ戻りつでOK。

かざま:うん、焦らず寄り添っていけば大丈夫。休むことは甘やかしじゃなくて、次に進むために必要な時間ですよね。

さいとう:まずは「ちゃんと休むこと」、そして「話せる空気をつくること」。それだけで十分、前に進んでますよ。

今回のポイント

  • 「今日は休む日」と決めて、お子さんが罪悪感なくしっかりと休める雰囲気をつくる
    • 基本は何をしてもOK。ゲームやYouTubeを叱らない
    • 勉強しないことで罪悪感が生まれてしまうお子さんの場合、勉強できる時間や環境を整えるのもGood
その他のポイント
  • 生活リズムは食事と家庭内コミュニケーションの時間だけ固定できれば、他はゆるめでも大丈夫
  • 会話は評価や助言より“受け止め”多めで。「そう感じたんだね」から始める
  • ゲームは興味を共有すると会話が広がる
    • 例:「おもしろそうだね」「どういうところが好きなの?」

“ユルタ”

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